妊娠中のVIO脱毛（ムダ毛処理）で知っておくべき重要な注意点

妊娠中のデリケートゾーン（VIO）のケアは、清潔を保つため、また出産の準備としても非常に重要ですが、この時期の肌は非常に敏感になっています。安易な自己処理や刺激の強い施術は、肌トラブルや母体への負担につながるリスクがあります。

医療脱毛や光脱毛は基本的に中断すべきですが、出産に備えてムダ毛を処理したい場合はどうすれば良いでしょうか？

この時期のVIOケアで安全を確保するために守るべき注意点を詳しく解説します。

【原則】医療脱毛・光脱毛は「中断」が基本

現在、クリニックやサロンで医療レーザー脱毛や光（フラッシュ）脱毛を受けている場合、妊娠が発覚した時点ですぐに中断することがほとんどの専門機関で推奨されています。

妊娠中はホルモンバランスの乱れにより、肌が乾燥しやすく、バリア機能が低下しています。

炎症・色素沈着: レーザーや光の刺激が普段以上に強く感じられ、赤み、かゆみ、炎症（毛嚢炎）を引き起こすリスクが高まります。VIOは特に色素沈着しやすい部位であり、炎症が治まった後に黒ずみとして残る可能性もあります。
薬の制限: 万が一、肌トラブルが起きても、妊娠中は使用できる塗り薬や内服薬が限られています。適切な治療を受けられないリスクも、施術を避ける大きな理由です。

脱毛の施術は、仰向けなど同じ体勢を長時間維持する必要があります。

体勢の負担: お腹が大きくなると、仰向けの体勢は体調不良（貧血など）やむくみの原因となるほか、VIOの場合は体勢を工夫しても無理な体勢になりやすく、母体に大きな負担をかけます。
精神的ストレス: 施術中の痛みや緊張が、お腹の張りや精神的なストレスを引き起こし、母子の健康に影響を与える可能性を排除できません。

妊娠中は女性ホルモンの影響で毛周期（毛の生え変わるサイクル）が乱れやすいため、レーザーや光を当てても効果が出にくく、施術が非効率になる可能性があります。

クリニックやサロンでの機械を使った脱毛ができない中、VIOのムダ毛が気になる場合は、肌への刺激が少ない方法を選ぶ必要があります。

VIOのムダ毛処理において、妊娠中の敏感な肌に最も刺激が少ないのは電気シェーバーです。

低刺激: 刃が直接肌に触れにくい構造のため、カミソリ負けや皮膚を傷つけるリスクが大幅に軽減されます。
自己処理の工夫:
- 鏡で確認: お腹が邪魔をしてVIOが見えにくくなるため、割れない鏡などを使って安全を確保しましょう。
- 清潔第一: 処理前後は肌を清潔にし、低刺激の保湿剤で念入りにケアすることが、炎症や乾燥を防ぐ鍵となります。

出産前の準備としてVIOをきれいにしたい場合、一部の専門サロンではワックス脱毛を「マタニティワックス」として提供していることがあります。

時期の限定: 施術可能なのは、一般的に**妊娠安定期（5ヶ月～8ヶ月頃）**です。体調が不安定な初期や、出産が間近な後期は断られることが多くなります。
リスクの理解: ワックス脱毛は毛を毛根から引き抜くため、強い痛みが伴います。この痛みや刺激が母体にストレスとならないか、施術前に医師やサロンとしっかり相談し、初めてのワックス脱毛は避けるなど慎重に検討しましょう。
サロン選び: 必ず妊婦への施術経験が豊富で、母体の体勢や体調に細心の注意を払ってくれる専門サロンを選びましょう。

出産前に病院側でVIO周辺の毛を処理すること（剃毛）が必要になる場合がありますが、近年は「必須ではない」という病院も増えています。

病院の方針を確認: 出産予定の病院が剃毛の必要性やタイミングについてどのような方針を持っているかを、事前に確認しておきましょう。
いつまでに処理を済ませるか:
- 臨月に入ると、自己処理はさらに難しくなります。サロンでワックス脱毛を受ける場合は、出産予定日の2～4週間前までに済ませておくと、出産時の清潔が保たれやすく、悪露のケアも楽になると言われています。
- 自己処理の場合は、安全を最優先に、無理のない範囲で、電気シェーバーを用いて準備をしましょう。

妊娠中のVIOケアは、**「清潔と安全」**が最優先です。無理はせず、ご自身と赤ちゃんの健康を第一に考えた方法を選びましょう。