妊娠中のシェービングは要注意！敏感な肌を守るための徹底予防策
妊娠中、女性の体は劇的に変化します。特に出産が近づくにつれて、デリケートゾーンやお腹周りのムダ毛処理（シェービング）が必要になる場面が増えてきますよね。
しかし、この時期の肌は、ホルモンバランスの急激な変化により、驚くほど敏感になっています。ちょっとした刺激でかぶれたり、カミソリ負けを起こしたり、色素沈着のリスクが高まったりと、肌トラブルが起こりやすい状態です。「いつもと同じように剃ったら肌荒れしてしまった」という話も少なくありません。
ナイーブな時期だからこそ、安全かつ肌に優しいシェービング方法を知り、大切な体を守りながら快適に過ごしたいですよね。
この記事では、妊娠中の肌が敏感になる理由を解説し、自己処理の際に肌トラブルを未然に防ぐための具体的な予防策と、自宅で安全にケアする秘訣を詳しくご紹介します。
妊娠中の肌が敏感になる2つの大きな理由
妊娠中の肌がデリケートになる背景には、主に2つのホルモンによる影響があります。
1. ホルモンバランスの変化による「肌バリア機能の低下」
妊娠中は、プロゲステロン（黄体ホルモン）という女性ホルモンの分泌が増加します。このホルモンは、体を赤ちゃんを受け入れる状態に保つために働きますが、同時に肌の皮脂分泌を不安定にしたり、肌の水分保持能力を低下させたりする作用があります。
乾燥と刺激への弱さ: 肌のバリア機能が低下するため、外部からの少しの刺激（カミソリの摩擦など）にも敏感に反応し、乾燥やかゆみ、赤みといった肌トラブルを起こしやすくなります。
2. 血行促進による「炎症反応の増大」
妊娠中は、母体の血液量が増加し、全身の血行が促進されます。
熱や摩擦に敏感に: この影響で、皮膚の温度が上がりやすく、シェービングによる摩擦熱や炎症が、普段よりも強く、長く出やすくなることがあります。また、炎症後の**色素沈着（シミや黒ずみ）**も起こりやすくなります。
自宅で実践！肌トラブルを防ぐシェービング徹底予防策
妊娠中のムダ毛処理は、肌への刺激が少ない方法を選ぶことが最優先です。カミソリや除毛クリームは刺激が強すぎるため、電気シェーバーの使用を強くおすすめします。
ステップ１：処理前の「肌準備」と「最適な道具」の選び方
自己処理を行う前に、肌と道具を整えることが最も重要です。
肌に優しい「電気シェーバー」を選ぶ: 刃が直接肌に当たらない構造の電気シェーバーが、最も肌への負担が少なく安全です。
事前の「清潔」と「温め」: 処理する部位をぬるま湯で洗い、清潔に保ちましょう。お風呂に入って体が温まり、毛穴が開いた状態で行うと、毛が柔らかくなりスムーズに剃れます。
刺激物、薬剤は避ける: 妊娠中は使える薬や成分が限られるため、除毛クリーム、脱毛ワックス、毛抜きなど、肌組織に強い刺激やダメージを与える方法は絶対に避けましょう。
ステップ２：シェービング時の「摩擦軽減」と「優しさ」
カミソリを使う場合でも電気シェーバーを使う場合でも、肌への摩擦を極限まで減らしましょう。
剃る前の「たっぷり保湿」: 剃る部位には、必ず**シェービングジェル、泡、または低刺激の保湿クリーム（乳液）**をたっぷり塗り、滑りをよくします。乾燥した状態で剃るのは厳禁です。
「毛の流れに沿って」優しく: カミソリやシェーバーを当てる際は、**毛が生えている方向（順剃り）**に沿って、力を入れずにそっと滑らせます。深剃りをすると肌を傷つけやすいので、完璧にツルツルにすることよりも、肌を傷つけないことを優先してください。
体勢を工夫する: お腹が大きくなると、足元やデリケートゾーンが見えにくくなります。無理な体勢で処理をすると、刃が滑って怪我をするリスクがあります。鏡を使ったり、可能であれば家族のサポートを受けたりして、安全を最優先にしましょう。
ステップ３：処理後の「徹底した鎮静と保湿」
シェービング後は、産毛と一緒に角質も剥がれ落ちて肌が無防備な状態になっています。
優しく「鎮静」させる: 剃った部位を冷たいタオルなどで軽く押さえ、熱を鎮めて炎症を抑えます。
低刺激の「保湿」を重ね塗り: 敏感肌用、赤ちゃんでも使えるような低刺激の保湿剤（ローション、クリーム、ワセリンなど）を、普段よりもたっぷりと塗り込みます。乾燥は肌トラブルの最大の原因なので、念入りな保湿ケアが予防の要です。
締め付けを避ける: 処理直後は、締め付けの強い下着やタイトな衣類を避け、通気性の良い綿素材のものを着用しましょう。
もし肌トラブルが起きてしまったら
万が一、シェービング後に赤み、かゆみ、湿疹などの肌トラブルが起きてしまった場合は、自己判断で市販薬を使用する前に、必ず以下の専門家に相談してください。
かかりつけの産婦人科医
皮膚科医
妊娠中に使える塗り薬は限られています。医師に**「妊娠中であること」**を必ず伝え、安全な処置と薬を処方してもらいましょう。
ムダ毛が濃くなるのも、お腹のムダ毛が増えるのも、妊娠中の一時的なホルモンバランスの変化によるものです。産後しばらくすると、自然と元に戻ることがほとんどですから、**焦らず、無理せず、**肌をいたわるケアを最優先にしてくださいね。